年間13万トンもの
バイオマス燃料を
東南アジアから運びきる!
INNOVATOR’S
PROFILE
AICHI KAIUN (MALAYSIA) SDN. BHD.
H.Y2000年入社 / エネルギー資源輸送
AICHI KAIUN (MALAYSIA) SDN. BHD.
H.Y2000年入社 / エネルギー資源輸送
愛知海運の未来を拓く
「AILサービス」
大型の輸送船をチャーターし、毎月1万トンを超えるバイオマス燃料を東南アジアから日本へ運びきる。Yの挑戦は、愛知海運が得意とするエネルギー資源輸送の新しい扉を開く。
Yが輸入のコーディネートを行なっているのがPKS(Palm
Kernel
Shell)だ。パームヤシの種から油を採った後の殻の部分がバイオマス燃料として活用されている。日本国内で再生可能エネルギーの導入が広がるなか、愛知海運では将来に向けて高い需要が見込めると判断してバイオマス燃料の一貫輸送サービス
「AIL(Aikai Integrated
Logistics)」の提供を開始した。
AILサービスの開始に伴い2019年10月にマレーシア現地法人が立ち上がり、Yはそこで初代マレーシア駐在代表として現地情報の収集から在庫の確認、船積みの立ち合いなどを手がけている。
異国でのビジネスに
奮闘する日々
外国語大学を卒業して語学も堪能なYだが、異国でのビジネスは一筋縄ではいかなかった。マレーシアにはマレー系、インド系、中国系の人々が暮らしているため、ビジネスは英語が使われている。しかし、発音やイントネーションのクセが強いため聞き取るのに一苦労だ。また、日本語なら簡単にできる細かな意思疎通も難しい。Yは確信を得るために同じ質問を3箇所に聞くなど、さまざまな工夫をして着実に仕事をこなしていく。
海外では、宗教や文化もビジネスに色濃く反映される。マレーシアにはイスラム、ヒンドゥー、仏教が浸透し、それぞれの文化圏を形成している。イスラム教のラマダンの時期には断食が行われるため、ビジネスの動きが鈍化する。
PKSについても売り手のほうが強気なため、交渉が難航して十分な量を確保できないことも多い。そのような状況下で毎月確実に送り届けるため、Yは日々奮闘している。
社員の「やってみたい!」を後押しする
Yがマレーシアに赴任して1年。「まずは会社を安定稼働させること」「お客様が満足いくサービスを提供すること」「心身共に健康に安全に暮らすこと」の3点を念頭におきながら過ごしてきた。これまでの経験を活かし、YはPKSのもうひとつの主要産地であるインドネシアにも駐在員を置けるような環境づくりをめざしている。
そんなYがマレーシア勤務に抜擢された理由のひとつが、社内の人事アンケートだった。『海外にぜひ行きたい』にチェックをしたことが、海外赴任のきっかけとなったのだ。愛知海運には、社員の「やってみたい!」という思いを積極的に取り入れる風土がある。男女関係なく活躍ができ、まわりからサポートしてもらえる社風だ。
「いずれ日本に戻った時に成長した私を見て、若手が自分も海外に行きたいと思ってもらえたら嬉しいですね!」Yは笑顔でそう語ってくれた。